従軍記者が記録したドキュメンタリー「THE HORNET’S NEST」レビュー

star4
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アフガニスタン紛争に従軍記者として同行した、エミー賞受賞ジャーナリストのマイク・ボッチャーと息子カルロスが記録した命懸けのドキュメンタリー。

マイクとカルロスが同行したのは、アフガニスタンでも屈指の危険地帯での作戦。作戦で亡くなったアメリカ兵も少なくない。

そんな作戦に同行して記録された映像は衝撃的なものばかり。
小屋から見つかる大量の武器。自爆テロにより燃え上がる眼の前の車両。発見される地雷。突然始まる銃撃戦。「敵に当たった」「~が撃たれた」と聞こえる無線の声。

あまりに自分の生活とかけ離れた出来事で、不謹慎だけどリアルな戦争映画を見ているような、本当にそんな感覚になった。

「まだ温かい」と言って、兵士が撃ち込まれた敵の弾をカメラに見せる場面があった。鋭く先の尖った弾。兵士は笑顔だったけど、あれが当たれば死ぬと思うと背筋がゾッとした。

ドキュメンタリーなので、戦場にいるという緊張感が映像からヒシヒシと伝わってくる。
マイクが“幽霊”と言ったように敵はどこに潜んでいるか分からず、何でもない風景が突如戦場に変わる瞬間が何度もカメラに収められていた。

例えば、荒涼とした山道を行軍中、突然狙撃されたのを合図に銃撃戦が始まり、瞬く間にそこは戦場に変わった。
何でもない風景が銃声と叫び声が飛び交う緊張した雰囲気に変わった。

明らかに記者を狙っているような銃弾もあり、銃弾がカメラの近くをかすめ飛んで行くのが何度も分かる。カメラが地面を向く度に、撃たれた?死んだ?とハラハラする。

映画的な演出なのか、途中何度も記者が亡くなったと思わせるような演出がある。実際に亡くなってもおかしくないくらい銃撃戦の渦中にいるので本当にそう思えてしまう。

ただの記録映像ではなく、従軍記者のマイクとその息子として育ったカルロスのドラマがあったりして退屈しない。

前線にいる兵士たちの生の姿が見れるのも貴重だった。
犠牲者が出た激しい銃撃戦の後、休憩中に冗談を言ってふざけ合う兵士たち。その切り替えの早さに驚いた。たぶん、そうでなくてはやっていけないんだろう。

軍隊にいる理由も興味深かった。
「理由は分からない」「たぶん楽しんでいる」「これしかできない」など。
誰も国のためとか平和のためとは言わない。不思議だ。

一番興味深かったのは、映画の最後でマイクが語る世界に戦争を伝え続ける理由。家庭を犠牲にし危険に飛び込み続けても、そうしなければならない理由は意外なものだった。

THE HORNET’S NEST(2014年/アメリカ)


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