圧倒的廃墟美!「サイレントヒル」レビュー

star4

人気ゲームが原作のホラー映画。

ローズ(ラダ・ミッチェル)は、娘のシャロン(ジョデル・フェルランド)の夢遊病に悩まされていた。
夢遊病中のシャロンが叫ぶ「サイレントヒル」に病気を治すヒントがあると考えたローズは、シャロンを連れて廃墟となったその街に向かった。

しかし、シャロンはサイレントヒルで突如姿を消してしまう。ローズはシャロンを捜し回るうちに不可解な現象に遭遇していく。
後を追ってきたローズの夫クリストファー(ショーン・ビーン)も、サイレントヒルに隠された秘密に気付き独自に捜索を始める。

シャロンとサイレントヒルの関係とは?街に隠された秘密とは何なのか?…

怖い、美しい、悲しい、なんだこれ?
独特な世界観が印象的だった。

街にサイレンが鳴り響くと、街はサビ(?)に侵食されていき、どこもボロボロの工場のような異世界に変化してしまう。

赤と茶色の世界は、血か内臓をイメージさせる。
不気味だけど退廃的な美しさがあって、次はどんな場所に変わるのか期待してしまう。

通常時のサイレントヒルも、灰が降り積もってできた白い街並みが美しい。

そして、街の景色が変わると異形の怪物たちが現れだす。
怪物たちを一言で表現すると不気味。

様々な種類がいて、顔がなかったり、動きが異常だったり、虫だったり。生理的に無理系の気持ち悪さ。
でっかい刃物を振り回す怪力大男のインパクトはすごい。

中でも一番怖いのが、少女の悪魔(?)アレッサ、役の子供が怖すぎる。
一番怖いけど一番美しくもあり、見たくないけど見惚れてしまう。

ストーリーも良かった。
悲しく救いようのないものだけど、だからこそあんなに恐ろしい世界になってしまったんだと納得できる。

モンスターが襲ってくるだけの映画とは大違い。謎解きはまるでスティーブン・キングのミステリー小説のようで十分に見応えがある。

一方で、ゲームが原作なので展開がゲーム的に感じる。
ヒントを得て進むと、またヒントがあって次の場所へという感じ。

その過程はストーリー上、意味あるものになっているけれど、ヒントがあからさまで、「え?秘密知ってほしいの?構ってちゃんなの?」と言いたくなる。

意外にストーリーは奥が深いので、色々考えさせられる。特にラストのあれは、、、

圧倒的な世界観とヴィジュアル、上質なミステリー。
最高にカッコいいホラー映画だった。

「母親は子供にとっては神と同じ」

サイレントヒル(原題:Silent Hill/2006年/カナダ・フランス)

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