後半の彼女、本物ですか?「サヨナライツカ」レビュー

star4

※ネタバレあり。

辻仁成の同名小説の映画化。

1975年、航空会社に務める豊(西島秀俊)は、赴任先のバンコクでミステリアスな美女、沓子(中山美穂)と知り合う。
豊には日本で帰りを待つ婚約者の光子(石田ゆり子)がいたが、沓子に誘惑されるままに関係を持ってしまう。
一方、愛されることしか知らなかった沓子は、初めて人を愛することを知り、二人の関係は25年の時を超える、、、

切ないっ!!涙腺崩壊するかと思ったわ!

ストーリーは言ってしまえば盛大な浮気劇。
当然、性的な場面も盛りだくさん。でも、下品な感じではなく知的な雰囲気の映画。

異国の地で禁断の愛に燃えた豊と沓子の関係は、良心を選んだ豊によって終わりを告げた。
そして25年後、豊は会社の副社長まで出世していたが、若い時に夢見た未来とは違う現実にくたびれていた。

豊が仕事で久しぶりにバンコクを訪れると、予約されていたホテルがかつて沓子が住居としていたホテルであることに気付く。なんとそこで、豊は沓子と25年振りに再会をする。

ここの場面はかなり衝撃的だった。何で?何でいるの?となった。
実は沓子は、豊と思い出のホテルの従業員となり、25年間も彼を待ち続けていたという。

マジで!?そんなキャラクターでした?
婚約者がいると知ってて体で寝取ったビッチでしたよね?すぐに新しい男を見つけるタイプの軽い女ですよね?

ギャップがあり過ぎて偽物かと思った!

「この部屋を案内するたび、あなたのことを想ってました」
だと?何その純情?不意打ち過ぎてドキドキしたわ!

前半はビッチで感じの悪かった彼女が、後半は一途で愛らしい女性へと変貌を遂げていた。男はもちろん後半の方が好き。

しかし25年は長い。純愛(?)を貫いた沓子は思い出に生き、ただひたすらに豊を待つ人生となってしまった。
長い時間を犠牲にするくらいなら、簡単に手放さなければ良かったのに。相手のことを想ったがゆえの決断だったんだろう。つらすぎる。

沓子と再会した豊は、もう一度やり直すことを決心する。
しかし、二人の幸せな生活は長くは続かず、、、って、あんな風に沓子さんでお涙頂戴するのズルすぎる!可哀想すぎる!

最後の詩がまた残酷過ぎる。原作者の辻仁成はなんて人でなしな奴だ!

こんな映画を見ると、一人しか選べないことで誰かの人生が犠牲になるなら、それは罪のようにも思えてくる。

でも、婚約者がいるのを知っていながら誘惑した女と、それに応じた男。
悲しい物語だけど、冷静に考えると二人とも自業自得だよね。

撮影は邦画としてはかなり高い水準。
ミュージックビデオを繋ぎ合わせたような映像は賛否両論ありそうだが美しかった。照明の技術が高く、暗い場面でも見やすい。一瞬の感情の変化を上手く表現した編集も見事だった。

ピアノを基調とした悲しげな音楽は場面を盛り上げたし、バンコクを堪能できるロケーションも良かった。

この映画の中山美穂は、魔性の女から淑女まで幅広い役を好演をしている。
西島秀俊も溢れ出るエリート好青年感が適役。好青年をキープしたままゲスい役だった。

ボーカルダンスグループ「AAA」のメンバー、西島隆弘と日高光啓が豊の息子役で少しだけ出演している。西島隆弘は映画『愛のむきだし』での熱演が印象深い。父・豊に向けた日高光啓のライブパフォーマンスも印象的だった。

ちょっと重めの恋愛映画で泣きたい時に見るといいかもしれない。愛について考えさせられる映画。でも、どうしても浮気だけは許せないという人は見たらダメ。

軽い気持ちで恋愛したらダメ。浮気は絶対ダメ。過去の恋愛を引きずるのもダメ。
人生後悔のないように振る舞えたらいいよなって感じ。

「あなたは死ぬ間際、愛したことを思い出す?それとも愛されたことを思い出す?」

サヨナライツカ(2010年/日本)


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