マーク・ポロニア監督はやっぱり真向勝負だった!
予算がないから作りたい映画をあきらめる?それともバレないように上手く撮る?
マーク・ポロニアはそんなことをしなかった。拙いながらも自分のやりたいことを全力で表現している。照れがあったり見栄をはったりとかは一切ない。
まさにありのままだ。
こんなこと到底マネできるものじゃない。
惜しむらくはもう少し映画のセンスがあれば…
『ビッグフットvsゾンビ』でマーク・ポロニア監督の映画を初めて見た時は、休日に気の合う仲間と作ったかのような手作り感溢れる、そのあまりに独特な作風(?)に衝撃を受けた。
チープな映画は数あれど、同監督の作品からは映画作りにかける情熱と楽しさが滲み出ているような気がして、それが不思議な魅力となっていた。
映画の内容の方はというと、銀行強盗をした犯人たちが逃走先の山小屋で恐竜に襲われ、女泥棒と刑事がそれに巻き込まれるというもの。
この映画、安心して見れない。最初に変な刑事の突入劇で妙な空気が漂い始め、それからラストまでずっと不安な気持ちが続いた。
これは映画の演出による不安というより、映画そのものに対する不安だ。
なぜマーク・ポロニア監督の映画に惹かれるのか理由が分かった。あの不安感には中毒性がある。
テンポ・間の悪さ、恐竜の作りの粗さが目立つが、恐竜の動きにストップモーションを使用していたりとかなり挑戦的な作品になっている。アクションシーンは昔の特撮映画を見ているようだ。
なので、この映画を60年代以前のクラシック映画だと思い込んで見るとチープさは気にならなくなった。
新しい映画鑑賞法を編み出した気がする。
やっぱりラストでちょっとだけ監督が登場する。
ジュラシック・ビースト(原題:Jurassic Prey/2015年/アメリカ)