はとり(桐谷美玲)は、幼なじみの利太(山崎賢人)と結ばれると信じて疑わない女子高生。
しかし、利太は同級生の足立(我妻三輪子)と交際を始めてしまう。
一方、はとりも学校一のモテ男、弘光(坂口健太郎)から告白され付き合うことに。
本当のヒーローはどっちだ?はとりはヒロインになれるのか?
というストーリー。
主人公の松崎はとりのキャラクターが本当に面白かった。
好きな相手以外にはあからさまに態度が変わるし、メルヘンチックな性格が少し痛い。ついでにかなり腹黒い。
しかも、それらをまったく隠そうともせず、全部表情・態度に出してしまっている。
あからさまな嫉妬心でよく相手を睨みつけるのが面白い。
これほど感情表現豊かな女性ヒロインは初めて見た。
その主人公を演じるのは桐谷美玲。
桐谷美玲というと美人だけど無表情で冷たい印象がある。たぶん多くの人がそう感じていると思う。
そのイメージを脱却するためだろうか、この映画ではよく変顔をする。
原作の方も変顔をするキャラクターらしいので、それを再現しているということだろうか。
スキンヘッドにもなったりと、かなり体を張って役を演じている。
この映画のコメディ部分を一手に引き受けた見事な活躍だった。
桐谷美玲といえば、NEWS ZEROのキャスターのイメージが強いのでギャップがすごかった。
狙いどおり好感度上がったんじゃない?
でも美人の変顔は反感を招きやすいのも事実。
「美人だけど変顔できます」は、自意識過剰なんじゃないの?
という見方をする人が必ず現れる。
しかし、個人的にはチャレンジする姿勢を素直に褒めたいと思う。
彼女はこれまでも、ニュースキャスターに挑戦するなど、積極的に自分の可能性を広げようとしてきた。
見た目以上に芯が強く、しっかり将来を見据えている人なのかもしれない。
そう考えると、彼女を見る目がちょっと変わった。
その他のキャストは、
はとりの相手役は、山崎賢人と坂口健太郎。
どちらも多数のドラマ・映画に出演する、最も旬のイケメン俳優。
基本的にこの二人は、役に合わせるタイプじゃなくて本人に近いタイプの役がくる俳優。
なので、役がそのまま本人という感じがする。
イケメンっぷりが存分に出ているので、女性ファンは嬉しいんじゃないですか?
はとりの恋のライバル足立役は我妻三輪子。
劇中で六角精児似と言われるがそんなことはない。『さよなら歌舞伎町』などに出演。
はとりの親友中島役はものまねタレントの福田彩乃。
なぜかベテランを感じさせる落ち着いた演技だった。車の運転が得意でレースにも参戦しているという多芸さ。高校生役は厳しいか?
その他、学食のオヤジ役に竹内力、利太の母親役に浜田マリ、弘光の元カノ役に高橋メアリージュンなど。
監督は『ハンサム★スーツ』『貞子3D』などの英勉。「はなぶさつとむ」と読む、「えいべん」ではない。
ストーリーは、カップルが紆余曲折して本当の自分の気持ちに気付きました、というシンプルなものだけれど、終盤までコメディに特化した演出、格段に良いテンポのおかげで退屈することなくラストまで一気に見れてしまう。
変顔とか分かりやすいコメディなので年齢問わず楽しめる。そんなラブコメ映画。
好き合っててもなかなか上手くいかないこともあるから、一番良いのは素直に気持ちを出すこと。台詞にもあるけど「恋愛は理屈じゃないよね」ってことか?
ヒロイン失格(2015年/日本)