スティーブン・キング原作。あの頃の夏休みに戻りたくなる「アトランティスのこころ」映画レビュー

あらすじ。
少年時代の友人の葬式に出席するため故郷へ戻ってきたボビーは、11歳の夏に出会った不思議な友人のことを思い出していた。

日常に少しだけファンタジーを取り入れる、スティーブン・キングお得意のストーリー。

どこかに心を置いてきてしまって抜け殻のような、でも子供たちの良き理解者である“不思議な老人テッド”役のアンソニー・ホプキンスがなんとも魅力的だった。
中でも、楽しそうに遊ぶボビー少年たちを見ている時の、自身の過去を懐かしんでいるかのような表情がとても印象的。

そんなテッドとボビー少年との交流は、馴れ合い過ぎることもなく年相応の交流で見ていて気持ちがいい。

鑑賞しながらずっと気になっていたのが題名の“アトランティスのこころ”。
アトランティスは海の底に沈んだとか何とか言われている幻の大陸だけど、それがストーリーに関係しそうな気配がない。
ましてやその幻の大陸の“こころ”って何だ?

と思ってたら、テッドがボビー少年たちを見てこう言った。
「子供のころは楽しいことばかりで、まるで幻の国“アトランティス”にいるようだ」
そして、「大人になると“アトランティス”は消えてしまう」と悲しそうに付け加える。

なるほどねー!さすがスティーブン・キング!
『スタンド・バイ・ミー』に通じるこのノスタルジックさ!

思わず郷愁に耽りたくなる。でも、子供時代って想い出補正されがちだけどねー!

楽しい夏が終わり、別れの秋。そしてラストは冬。
ストーリーと共に四季が変化していくのが、映画をさらに感慨深いものにしている。

あの頃の夏休みを思い出してノスタルジーに耽けれる映画。
キレイばかりのおとぎ話になっていない、苦さを含んだ感動が良い。

映画ラストで、大人になったボビーが偶然、幼馴染キャロルの娘と出会い、彼女にキャロルの写真を渡す場面があった。
少年時代のボビーが、死んだ父親が母親が言うようなロクデナシではなかったと新事実を知った時の場面がフラッシュバックした。
キャロルの娘もひょっとすると母親のことを勘違いしているのかもしれない、そんなことを思わせた。

その人の正しい姿は、誰かがちゃんと伝えていかなければいけない。そういうことなのかもしれない。

アトランティスのこころ(原題:Hearts in Atlantis/2001年/アメリカ、オーストラリア)

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