フランスの田舎町カペロングでは、弱小ながら熱狂的な支持を得るサッカーチームがあった。今宵、カペロングはパリのチームとの対戦を控え、町は大いに盛り上がりを見せていた。
パリのチームに所属するサッカー選手のサム(アルバン・ルノワール)にとってカペロングは地元。歓迎ムードになるとの期待ははずれ、人々からはブーイングの嵐。過去の出来事が因縁となっているらしい。
サムの幼馴染でカペロングの選手であるジャノは、試合に勝利してサムとの因縁を晴らすため筋肉に薬品を投与する。しかし、その薬は間違ったものだった。
多くのサポーターが観戦するスタジアムに、ゾンビとなったジャノがピッチに立つ…
というストーリー。
まずパッケージが怖い。子供が見たらトラウマになっちゃうよ?
映画はサッカーの試合のように、前半と後半に分かれていた。
前半はゾンビ感染が広がり町がパニックになるまで。
後半はそれの続きと、サムとジャノの因縁の対決まで。
この映画、B級ネタ映画かと思いきやとんでもない。マジだった。
鑑賞してすぐに気付いた、映像にチープさがない、この映画は本気だ!
凝ったカメラワーク、本物の町を使用したセット、リアルなゾンビの特殊メイク、CG、どれも手抜きがない。
ストーリーの方も家族、故郷、仲間など登場人物それぞれのドラマが盛りだくさんで見ていて退屈しない。感動もちょっとある。
選手が商品のように取引されるサッカー界が抱える闇についても触れていて、サッカーという題材を真面目に扱っている感じがした。
ゾンビとサッカーするまでの展開はちょっと無理やりな気がしたが、サッカーしないと映画の意味ないもんね。
ゾンビ映画は何とコラボさせるかのアイデア勝負になっている面があるが、サッカーとのコラボは斬新。
襲いかかる大量のゾンビをドリブルでかわす場面なんかはこの映画ならでは。今後スポーツもののゾンビ映画が増えそうな予感がする。
ゾンビは全力ダッシュ系でエナジードリンクのCMかと思うくらい元気ハツラツしている。
ただやみくもに襲ってくるゾンビとは違い、知識や感情が残っているようで、生前に想いの強かったものによく反応する。人を区別できたり話が通じたりもする。
グロ表現はそれほどきつくなく、近年のゾンビ映画のブームに則りコメディ調なのでさらっと鑑賞できる。CMはふざけているが、最近のゾンビ映画の中ではかなりクオリティは高いので見て損はしない!
ゴール・オブ・ザ・デッド(原題:Goal of the Dead/2014年/フランス)