きれい事だけじゃない登山の実態、エベレスト登頂史に残る悲劇「エベレスト」レビュー

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Amazonプライムビデオで鑑賞。

ベテラン登山家のロブ・ホール(ジェイソン・クラーク)は、ツアーガイドとして参加者たちを引率し、世界最高峰エベレスト登頂に挑んだ。しかし、山頂付近で嵐に遭い遭難してしまう、、、
というストーリー。

ノンフィクションということを知らずに鑑賞した。
なので、ちょっと地味だなー、などと思って見ていたがとんでもない、大事故やん!

日本人も参加していたということで、少し興味がわいたのでWikipediaで調べてみた。
それによると、シーズン中に12人も亡くなっており、当時、エベレスト登山史上最悪の遭難事故だったらしい。
人的、物的、自然の様々な要因が重なり、不幸な事故となってしまったみたいだ。

事実は小説なみにドラマチックで、ガイドのロブ・ホールは子供が生まれる直前に山に入っており、下山したら我が子と初めて対面するはずだった。

参加者たちの中には、妻子の反対を押し切り参加した者、苦労して登頂資金を貯めて参加した者、エベレスト登頂で七大陸登頂を成し遂げる者。それぞれにエベレスト登頂に掛ける思いがあった。

大金を費やし、過酷な目にあい、事故で命を落とすことも珍しくない。
それでも世界最高峰に挑戦する彼らの気持ちは自分には分からないが、彼らだけが知るロマンや達成感があるのだろう。

ジョン・クラカワーが参加していたのに驚いた。彼は、映画『イントゥ・ザ・ワイルド』の原作となった『荒野へ』を執筆した人だ。あの映画もなかなか衝撃的なノンフィクションだった。
この時の体験をもとに『空へ 悪夢のエヴェレスト1996年5月10日』という本を執筆したらしい。

この映画の最大の見所は、圧倒的されるほど雄大なエベレストの景色。
10分に一度くらいは景色に目を奪われていた気がする。

ツアーなどの商業化によって、登山者が増加したことの問題も描かれている。

ツアーではお金を払い、少しの条件を満せば誰でも参加できる(映画では1000m程度の登山しか経験してない参加者がいる)が、実際のエベレスト登山はとても過酷で危険が伴うということが分かりやすく説明されている。

登山者が多いことと経験の少ない者の参加によって、難所で渋滞が起こり事故のリスクを高めるとしている。

また、登山者の出すゴミの問題や、シェルパ(現地人ガイド・サポート)に登山に不要な物を大量に運ばせる描写(映画では大量の椅子)もあり、商業登山の抱える闇を垣間見る。

特にゴミ問題は深刻なのか、現在では登山者一人当たりのゴミ回収量が定められている。

圧倒的な自然の脅威と美しさ。
ノンフィクションという考えさせられる題材。
エベレスト、登山について少し勉強できた映画だった。

暑い日に鑑賞すると少し涼しくなる気がする。

「どっちが勝つかは常に山が決める」

エベレスト(原題:Everest/2015年/アメリカ・イギリス)


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