人気ホラーゲームの実写映画化。
ジャーナリストのチェイス(ジェシー・メトカーフ)は、カメラマンの相棒ジョーダン(ヴァージニア・マドセン)と共に、ゾンビパンデミックにより隔離された街を取材していた。
抗ゾンビウイルス薬“ゾンブレックス”の開発によりゾンビウイルスは治療可能となったはずだった。しかし、突如ゾンブレックスが効かない事件が発生、たちまち感染は街中に広がってしまう。街は封鎖され空爆へのカウントダウンが始まる。チェイスたちは街からの脱出を目指す…
主人公がジャーナリストという設定がうまくストーリーに活かされていて、サスペンス的な面が強い。むしろそれがメイン。ついでに邪魔なゾンビをやっつけている。ゾンビはただのやられ役。デッドライジングらしいといえばそうなんだろうけど。
感染の原因を探るところから始まり、事件の黒幕を追うに至るまでのサスペンス的なストーリーは割とよく出来ている。ジャーナリストらしく、メディアを利用して不利な状況を覆したりと展開も面白い。
さらに感染者への差別問題があったり、秩序の無くなった街で暴れまわる連中が現れたり、映画自体の内容は決して薄くないけれど、それでも2時間の上映時間は長いと感じた。
長いと感じさせる最大の原因は、劇中何度も挿し込まれた報道番組にある。
報道番組では、フランクというゲームに登場した人物がコメンテーターとして登場し、過去のゾンビパンデミックの生存者として、テレビの視聴者に生存のアドバイスをする役割となっている。
しかし、挿し込まれる回数が多く、映画が途切れがちになりテンポを悪くしてしまっている。要所だけにして回数を減らしていれば、もっとスピーディーな展開になり違った印象の映画になっていたと思うと残念。
それと、サスペンスを真面目にやり過ぎた感じがする。ゲームの個性であるはずの派手なDIY武器もなかった。
たぶん観客がこの映画に求めたのは、大袈裟な武器でゾンビを派手にブッ飛ばす、ゲーム的なストレス解消になる映画だったと思う。
残念ながらそういう場面は見られなかった。もっとバカをやってよかったと思う。
映画のオチは、政府が民衆を監視するのが目的だったという最近のハリウッド映画の流行ネタ。
序盤に登場するピエロのゾンビはダメだ。怖過ぎる。あとピストル撃つゾンビも反則。
デッドライジング ウォッチタワー(原題:DEAD RISING:WATCHTOWER/2015年/アメリカ)