ゾンビの彼女と永遠の愛を「ゾンビ・ガール」映画レビュー

怖い!ゾンビ関係なしに怖い!

この映画のエヴリンという女性がとても怖い!
エヴリンは体に良いとか環境に良いとかが大好きな極端なエコロジスト
頭が固く他人の価値観を否定しがち。おまけに嫉妬深くキレやすい。かなり面倒くさい人

そんなエヴリンに振り回される恋人のマックスが本映画の主人公。
マックスは意気地がなくて自分の意見をはっきり言えない小心者
エヴリンとは価値観がまったく合わず、マックスが我慢することで二人の関係は保たれている。

そんなマックスにも遂に我慢の限界が訪れた。
意を決してエヴリンに別れを告げようとした矢先、彼女は交通事故で死んでしまう。

悲しみに暮れるマックスだったが、時間と共に彼女は過去の存在へ。
そして、気の合う女性オリビアと出会ったマックス。
二人の仲は急接近、恋人同士になろうかというその時、墓場からゾンビとなったエヴリンが甦って来た。

エヴリンがゾンビとなった原因は、マックスの店(ホラーグッズ専門店)にあった「願いを叶える」と書かれた悪魔の人形(?)のせい。
その人形の前で「二人はずっと一緒」と願ったから。
どうやら悪魔の人形は本物だったらしく、エヴリンはマックスとずっと一緒にいるために甦ってきた。

すぐに甦らなかったせいで腐敗が進み、見た目がゾンビになってしまっている。
ただし、本人はいたって調子が良いらしく。朝からヨガに励んだりと健康そのもの。
健康的なゾンビってなんだ?

相変わらず一方的に感情を押し付けてくるエヴリン。
以前より思考が過激になっており、マックスを一度殺してゾンビにしてしまい、二人で永遠の愛を成し遂げようと画策してくる。

マックスを殺すことに何のためらいもないエヴリン。
罪の意識がまったくなくて怖い。

マックスは殺されそうになるのを回避したり、エヴリンとオリビアが出会わないようにしたりと大忙し。

だんだん体の腐敗が進み、性格も凶暴になっていくエヴリン。
殺られる前に殺ってしまえと、マックスは義兄弟に助けを借りてエヴリン退治を試みる。

しかし、そこから事態はさらに悪い方向に展開していき、遂にエヴリンの被害者もでてしまう…

という、恐ろしいエヴリンとそれに翻弄されるマックス、そしてオリビアとの三角関係がメインの映画。
ラブコメらしい慌ただしい展開と個性的な登場人物たちの存在が、映画を面白く見させてくれる。
ホラーなのはエヴリンの性格だけで、映像的な怖さはないのでホラーが苦手な人でも大丈夫。

でもこの映画、よくよく考えるとエヴリンって可哀想な人なんだよね。
性格に難有りだけど、環境問題を真面目に考えているし、家族に不幸があって落ち込んでいた時に救ってくれたマックスをずっと一途に慕ってきたりと根は良い女性

一方で、一見お人好しで被害者風のマックスだけど、本当はかなり身勝手な男
嘘ばかりの甘い言葉でエヴリンを勘違いをさせ続けた挙句、真剣に話し合おうともせず一方的にエヴリンを捨てようとした。

二人の関係を疑う余地もなかったのに、いきなりフラれるとかとても不憫。
で、若くして事故で生涯を終えるという…
可哀想なエヴリン。

まあゾンビになって復活したけどね!

ゾンビ・ガール(原題:Burying the EX/2015年/アメリカ)

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