超大作アクション映画シリーズ第2弾。
大迫力のアクションは今作も裏切らない。
このシリーズは大好きだ。
豪華ヒーロー集結というワクワク感がたまらない。
しかし、今作は全体的に子供っぽさが増している印象がある。
アクションシーンはもはやアニメかゲームのようで、リアリティがなく素直にかっこいいとは思えない。
ストーリーもなんだか無理やり感が強い。
今作の敵であるウルトロンが人類を攻撃する動機を要約すると、
「人類を平和にしたいねんけど、人類が進化してくれへんとそれは無理やねん。強制的に進化させたるから一度滅亡の危機に瀕してもらいまっせ」
なぜその考えに至った?
進化の確証はどこから?
難解さを装っているが、無理やりなパワープレーなのでスルーするのが正解。
ウルトロンが必死に肉体を欲している理由も説明不足で分かりづらい。
石のパワーを取り込むのに必要だったのか?
翻訳が悪いのか?
事件の発端は、アイアンマンことトニー・スタークの個人プレーのせい。
「この石、よう分からへんけどすんごいパワー持ってるやん!オレの作ったロボットに入れて代わりに世界を守ってもらったらええやん!オレ天才!」
慢心した無責任な行動が、結果的に人類滅亡の危機を引き起こしてしまっている。
敵にマインド・コントロールされたかは関係なしに、トニーは結局この行動に至っていただろうと想像できるため、自業自得としか言いようがない。
そして新キャラクターが酷かった。
まず双子の姉弟。
弟の方は、体の代謝が活発で超人的なスピードで動ける。
その超スピードで敵ロボットを軽々とパンチで破壊する。
鉄の塊を素手で殴って大丈夫?
劇中では触れられていないが、おそらく皮膚とか骨とかが強化されて、さぞ丈夫な体なのだろう…と思いきや、あっさり銃撃にやられて退場。
お姉ちゃんの方は、サイコキネシスとかマインドコントロールが得意の非戦闘員かと思いきや、戦闘になるとエネルギー弾(?)でばったばったと敵をなぎ倒す。余裕で(笑)
これには、己の技能を駆使して必死に戦っている他のアベンジャーズが可哀想に思えてきた。
しかし、そのエネルギー弾で戦う姿が恥ずかしい。
もう一人の新キャラクターであるヴィジョンの存在も微妙だった。
序盤からあれだけ持ち上げていた石のパワーにも関わらず、いざ決戦となっても大して強さは感じられず…
トニーが過ちを犯してまで手に入れようとした力はその程度だったのか。
「宇宙からの脅威」からは到底守ってくれそうにない。
そもそも97%残っていたはずのジャービスの人格(?)はどこへいった?
今作では、アベンジャーズのメンバーそれぞれの過去が垣間見えるため、ファンはより一層楽しめる。
一方で、メンバー同士が交流し過ぎているのに違和感があった。
パーティーとかは似合わないし、ソーのハンマーを笑いのネタにするのとかはいらない。
目的の為にしぶしぶチームを組んでいる感じの方がしっくりくる。
そもそもトニー以外はそんな軽いキャラクターではなかっただろうに。
色々気になるところはあるが、そんなことはこの映画にとっては些細なこと。
このシリーズはいわゆる「お祭り」。
縁日で売られているものの値段が高いとか不味いとか無粋なことを言ってはダメ。
大事なのはその場の雰囲気を楽しむこと。
最新のVFXを駆使した極上のエンターテイメントなのは間違いない。
続編を予感させるいつものパターンで終わったが、次回作はさらにコスプレ感が強くなる感じが漂っていた。
期待と不安でいっぱいだ。
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(原題:Avengers Age of Ultron/2015年/アメリカ)